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2007年2月 2日 (金)

みんなの9条

昨年、このブログで、『常識として知っておきたい憲法』(http://10chan-kokoro.cocolog-nifty.com/blog/2006/04/post_7f4b.html)に始まり、
『「戦争学」概論』(http://10chan-kokoro.cocolog-nifty.com/blog/2006/04/post_0932.html)、『日本の「戦争力」』(http://10chan-kokoro.cocolog-nifty.com/blog/2006/05/post_b548.html
と読み進め、紹介したことがあった。
もちろん、憲法改正に向けた政治の流れと空気が、これらの書籍を10chanの手に取らせたのだろう。

大先輩から「大砲かバターか」というコピーを知った。戦争か平和か、軍備拡大か福祉充実か、といった対立軸を立てられるだろう。生か死か、希望か絶望か、愛か憎悪か、連帯か孤立か、...。
10chanの関心は、一貫して、心(と体のあり方)を規定するものと心(と体のあり方)とそれらのあるべき関係である。10chanなりに、その青写真を模索していきたい。その過程で出会った(出会う)本や雑誌を紹介していくこと。それを「10ちゃん心」の基本スタンスとしてきた。
保健や医療や福祉について、がオモテ(direct)とすれば、戦争や軍事について、がウラ(indirect)といった、コインの表裏の、不即不離の関係にある。

みんなの9条 Book みんなの9条 (236)

販売元:集英社
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『マガジン9条』(http://www.magazine9.jp/)編集部 編とある。『マガジン9条』の発起人を含む22人の、さまざまな分野で活躍する著名人が、それぞれの憲法観、9条観を談じている。
大変読み応えがあり、Amazonのカスタマー・レビューでも、「値段に比べて大変お得」に、確かに思える。興味を持たれた読者は、ぜひ一読をお勧めしたい。

ここでは、10chanの気を引いた、各対談者の発言を引用して本書の紹介に代える。

橋本治氏(作家)
「有事」を考えるときの基本中の基本は、「防衛を考える前に外交を考える」ということです。憲法9条は大きな問題じゃなくて、当たり前のことなんです。
香山リカ氏(精神科医、教授)
(若者がはっきりと白黒つけるようになったことは)物事の複雑な事情や経緯などを想像することができなくなってきたことではないかと、私には思えた。
「変えよう派」は「9条をまもろう」という人のことを、「今はそんな楽観的なことを言っている場合ではない」と批判しますが、楽観しすぎているのはむしろ「変えよう派」のほうではないでしょうか。一度変えてしまえば日本は危険な方向に向かってしまう。
黒田征太郎氏(画家、イラストレーター)
人類社会が始まって以来、戦争がなかったなんて一度もない。「戦後」は、この地球上に一度もないんです。
広井王子氏(ゲーム・クリエイター)
9条は、すでに拡大解釈されて、自衛隊は実質的な軍隊になっているし、イラクにも派兵されている。今の憲法でそこまで拡大解釈されてしまうのなら、もし9条を変えてしまったら、どうなってしまうのか?
日本は世界の暴力を拒否していくべきです。言い換えれば、あの前文と9条をセットにしたものこそ、日本が世界に誇れる最大の武器になるのにと、僕は思います。
いとうせいこう氏(作家、クリエイター)
僕がいちばん嫌だなと思う問いは、「自分が愛している人たちが犯されたり殺されたりしているときに、武器をとらないのか」というもの。これは、取ることができる武器があり、もうすでに自分たちが軍備をしているという前提だから、実は詐欺みたいな質問です。取るのか、取らないのかという前に、「なぜそこに武器があるのか?」という問いがない。
毛利子来(小児科医)
(憲法9条を改定すべきという人たちは何を狙っている?)アメリカへの協力でしょう。国際貢献というけれど、「国際」とは...アメリカを中心とした世界のことだし、「集団」とはアメリカと日本のことでしょう。
辛淑玉氏(人材育成コンサルタント、教授)
9条を放棄するということは、正規の軍隊を持ち、戦争ができるようにするということ。国を守るためと言いますが、それはまず自分が戦争で殺される、そして自分や自分の子どもがよその国へ出かけていって人を殺す側に回るということです。...自分が殺されることはないと思い込み、同時に人を殺す側になることに責任を負いたくないから、「自分はだまされていた」と言い訳ができる保険を探している。
9条が求める人間像のサンプルは、ペルー大使館公邸人質事件のときの、国際赤十字のミニングさんだと思う。
木村政雄氏(フリープロデューサー)
こんな豊かで贅沢な国になっていながら、まだ何かほしがっている。...詰まるところそれは、どんどん貧しい国や人から搾取していくことになるだけなのに。
大田昌秀氏(参議院議員)
「ああ、これでもう戦争しなくていいのだ」という大きな感動。生きる気力を完全に失っていましたが、なんとかこれから生きていこうという取っかかりを、この憲法に見出したのです。
きむらゆういち氏(絵本・童話作家、教授)
これからは、9条をシンボライズして、9条マークを付けている国民は、絶対に攻撃するべからずという、国際的な共通ルールを作り、アピールする。...9条をいかした防衛について現実的に考えていく方向に向かいたい。
早苗NENE氏(歌手)
先日「反戦歌手」と言われてしまいました。えっ? と思いましたが、この歌(『サヨナラ戦争』)を歌っていくことでそう呼ばれるのならば、それもまたいいかなと思っています。
カン尚中氏(国際政治学者、教授)
...だからこそ今、日米安保を段階的に解消し、平和憲法の理念をベースにして、東北アジアの集団的安全保障機構を構想しなければならないんです。
雨宮処凛氏(作家)
今、改憲を叫んだり、戦争を肯定するようなことを言う若い人が増えているのがとても怖いなと思っているんですが、そういう人たちにも、「自分が今主張していることを、アジアで言ってみろ!」と言いたいですね。
(政府とか権力とかを支持する方向へ行ってしまうのか)そこにしか突破口がないほどに行き詰まっているのかなとは思います。...期待する場所がほかにないから、「愛国」に行っちゃってるのかなという気がしているんです。
一時的に右翼にいたことで、生きづらさから解放されたことも確かだし、今の私があるとも言えます。...今の若者の右傾化が、一種のカウンセリングのような役割を果たす面もあるのだとしたら、それはアリかなという気もしてます。...一時的な右傾化であれば、とにかく死んでしまうよりはずっといい、そう思っています。
愛川欽也氏(俳優、司会者、小説家)
戦争というのは、いちばん弱い者のところに、ダメージを与えるようにできているのです。だから、この憲法による幸せの恩恵についてじっくり考えて、まもっていかないと未来は危ないよ、と言いたいのです。
上原公子氏(国立市長)
たいした議論もないまま、2004年の6月に法案が成立した「国民保護法」ですが、この国民保護法は日常的に訓練や備えることに協力しなさいと言っていて、まさに街はみんなでまもりましょう、の発想からきています。安心・安全のために警察と一緒になって、現在パトロール隊がありこちの自治体で作られ始めているでしょう。このことが、最初の伏線としてあったのです。だから今回の選挙(注:昨年の衆院選)は、昔やってきたことをまた繰り返している感じがしてならないのです。
ジャン・ユンカーマン氏(ジャーナリスト、映像作家)
改憲派は「時代が変わったから、憲法も変わらなければいけない」と言いますが、実際に、1955年ごろに全く同じセリフをすでに言っていますね。
石坂啓氏(マンガ家)
「日本軍は慰安婦問題に関与していない」と主張する人々から抗議されかねないと。表現の世界では、とっくにナショナリズムが吹き荒れていると思います。
中川敬氏(ミュージシャン)
憲法9条を、オレが変えないほうがいいと思う最大の理由は、黒幕にアメリカがいることはもちろん、今変えようとしているヤツらがこの憲法をまもらなかったヤツらやから。9条はもちろん、99条の憲法尊重擁護の義務とかね。これまで平和憲法をまもってこなかった連中なんやから、変えてもまた、まもらんよ、アイツらは。
連中みたいな政治集団をずっと60年間も国の中心に据えた結果、今の世の中、子どもの受難に自殺率の増加、不寛容社会の拡大にジャーナリズムの劣化と、かなりおかしくなってきている。軍事大国化には格差も必要やからね。それと、何よりもアメリカの占領統治がうまくいったね、日本は。...本土に住む人間は、「戦争」を見ないですむようにやってきているからね、この60年間。
自慰史観の連中。ほんま情けない。大和魂はどこへ行ったんや!
伊藤千尋氏(新聞記者)
(平和憲法を持つ国、コスタリカのやり方)(「リオ条約」)加盟の際に「我が国には軍隊はないから出せない。かわりに別の方法で攻撃された国を助ける」と宣言して、リオ条約もそれを承認しています。
まず、多くの国民が誤解していると思うのは、自衛隊を「国民をまもるもの」と考えていることです。...そもそも自衛隊が「警察予備隊」として最初に作られたとき、その目的は「在日米軍の家族をまもること」だったんですよ。
日本という国自体がノーベル平和賞を受賞するような、そんな国家ビジョンはどうか。...平和を輸出する-それこそが国家としての日本の役割である、と宣言する。そうなれば世界からも尊敬されるし、そんな国をどこの国も攻めてこようとはしないですよ。
渡辺えり子氏(劇作家、演出家、女優)
今、幼い子どもが殺される事件が国内で起こっています。もちろんそれは悲惨な事件ですが、1人の女の子が殺されてこんなに日本中が騒いで悲しんでいるのに、イラクで同じように罪のない子どもが何万人と殺されても、メディアも取り上げないし、みんな黙っているのはどうしてなのでしょう?
松本侑子氏(作家、翻訳家)
「押し付け」論は、その他の民主改革とセットになった憲法制定という歴史的な事実を、見ていない。(注:財閥解体、農地解放、華族制度の廃止も「押し付け」なのに、それらは取り上げないのはおかしい)
「現実に合っていないから現実に合わせるべきだ」? 例えば、憲法24条では「両性の平等」を定めていますが、いまだに実現していません。...25条の「健康で文化的な最低限度の生活」についても、毎年3万人を超える市民が自殺をしている国で、果たして、実現していると言えるでしょうか?
(「攻撃に対して備える」や「テロの危機に対抗するために軍事力が必要だ」に対し) 軍事力で、テロは防げません。9・11のテロを、ロンドンのテロを、アメリカも英国も防げなかった。
「国際貢献のために軍隊が必要だ」というご意見もありますが、日本が国際貢献をするなら、60年間、一度も交戦という実践経験をしていない軍事力よりも、世界に誇る優れた分野を優先するほうが懸命です。
一般の人たちが「憲法の内容を知らない」とよく言われます。それは良いことではありませんが、ある意味では当たり前なんですね。憲法を学んで守らなくてはならないのは、国民ではなくて、国政を行う人たちなんです。
...また社会の上下二極化が進んでいますから、低所得の若者が、より良い収入を求めて生活のために入隊するケースも増えるかも知れません。
今でも、改憲というと「右翼」だと罵られたり、護憲というと「アカ」「左翼」と決めつけられたりして、多様な意見を議論することが難しくなっている。冷静な言論よりも、力で威嚇する風潮が広まっている危惧があります。
辻信一氏(文化人類学者、環境活動家)
今、ますます世界中の格差が拡大し、戦争の危機が高まり、世界がより暴力的になっているのは事実です。その危機を引き起こしているものは何かというと、それは経済成長神話であり、新自由主義であり、グローバル経済でしょう。
そこで僕たちは「ズーニー運動」を呼びかけることにしました。

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