会社で心を病むということ
『もし部下がうつになったら』(292)(http://10chan-kokoro.cocolog-nifty.com/blog/2007/07/post_fc11.html)と同じ著者による。
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会社で心を病むということ(399) 著者:松崎 一葉 |
前作について...
> ただ、このブログでも再三取り上げてきた、(悪玉の)ストレス低減策は、ほとんど触れられていないのは、類書と同様で、残念である。 <
> おわりにで、企業の社会的責任(CSR)と組織的メンタルヘルス対策に触れており、大事な視点が(簡単にだが)確認されている。
「CSR概念での社員の保護、労働衛生の充実」であり、それがひいいては、企業の生産性と業績向上につながらという指摘である。 <
...とコメントしたが、本書は、著者の精神科産業医として実践に根ざした、メンタルヘルスマネジメントのあり方について、詳しく触れている。
厚労省が推進する「4つのケア」の落とし穴として、4つのケアがともするとバラバラに取り組まれてがちなこと、疾病論が中心で予防につながらない実践が行われていること、を指摘している。
また、昨今普及が目覚しいEAPについても、受身で治療者を待つ治療型EAPに異議を唱えている。
著者が産学連携で確立したというメンタルヘルスマネジメントシステム(MMS)を導入した2企業について最後に少し紹介している。
MMSの内容自体は決して独自なものではないが、「うつ病はなおる病気で、予防できるのだ」というシンプルで明解な主張にも、同感できる。
ただ、職場復帰プログラムについては、目安は8週間、統計的にもうつ病患者の70%が抗うつ剤のSSRIの投与を受けてから8週間以内にうつ状態が軽快している(105頁)。
この部分には、本書の主張、つまり、復職可能判断が出たからと言って、それはうつ病の症状が軽快しただけであって、必ずしも仕事力は回復していない、と矛盾があるように思う。
いずれにしても、最近のメンタルヘルス関連本ほど、職場環境改善、企業の経営責任について触れる傾向が強くなってきている点は、良い流れと思う。
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