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2009年2月21日 (土)

若者のための政治マニュアル

過去、当ブログで紹介した、『フランスジュネス...』(437)(http://10chan-kokoro.cocolog-nifty.com/blog/2008/09/post-0164.html)の著者と、相対的により酷い状況下におかれているわが国の若者が”つながる”ために、われわれ”大人”に何ができるだろう...それを今年のテーマの一つにしている。

ジュネスは何歳から何歳をカバーしているのかは?(ハテナ)だが...『反「貧困」』(440)(http://10chan-kokoro.cocolog-nifty.com/blog/2008/09/post-b89b.html)の著者も、ジュネス、あるいは若者とはもう呼べない世代に属するだろう。

・・・なぞと思っていたところ、自宅近くの書店で見つけたのが本書。

若者のための政治マニュアル (講談社現代新書) Book 若者のための政治マニュアル (講談社現代新書)(467)

著者:山口 二郎
販売元:講談社
Amazon.co.jpで詳細を確認する

しかし、本書を読んでほしい世代がどれだけ本書を取り、読んでくれるのだろうか...というのが、読後の正直な危惧、だった。

今日、Amazonランキングで9944位、そこそこ売れ続けていると言える。しかし、「若者」に本当に届いているのか...(?)

生きづらい社会を変える最強の武器は、民主主義である。(略)「権力者の行動を看破できるスキル」を具体的に示すのは政治学という学問の使命である。今の時代に即して、特に社会の荒廃で様々な被害を受けている若い人々に対して、政治のスキルを目指して、本書を執筆した。(略)(まえがきより)

民主主義を使いこなすための10のルールと、中見出しを列挙して、本書の紹介に代える。

ルール1・・・生命を粗末にするな
 政治の目的は生命の尊重
 「あんなやつは死んで当然」と言う政治家は絶対に許さない
 「希望は戦争」-赤木智弘の問題提起をめぐって
 平和の意味を考え直す
 人間の居場所を確保する

ルール2・・・自分が一番-もっとわがままになろう
 人はそれぞれ自分の利益を求めて政治に参加する
 誰の利益も対等に主張できるのが民主政治
 権利の主張が過剰だなんて、馬鹿なことを言うな(補記・他人と共存できるかどうかが、ある主張が権利の要求なのか、単なる特権の要求なのかを見分ける基準)
 みんなの権利が尊重される社会を作ろう(補記・本当の意味での自由主義;「私はあなたの意見には反対だが、あなたがそれを言う自由は死んでも守る」by思想家ヴォルテール@18世紀フランス)
 自信を持ってわがままになろう

ルール3・・・人は同じようなことで苦しんでいるものだ、だから助け合える
 人間を襲うリスクという概念
 リスクを個人で背負うのか、社会全体で分かち合うのか
 誰もが背負うリスクはみんなで対処する方が合理的(補記・情けは人のためならず、さてどういう意味?)
 日本におけるリスクカバーの構造

ルール4・・・無責任でいいじゃないか
 助け合いという美風-落語に見る日本の伝統
 努力した者が報われる社会は理想か?
 近視眼的な公正と長い目で見た公正
 人間にとって責任を取れる事柄と、責任を取れない事柄(補記・宮内の最大の誤りは、選択の自由を「(好きなやり方を)選択してもよい」ではなく、「(最も合理的なやり方を)選択しなければならない」と解釈した点にある。競争原理を基調とする市場において、人は最も合理的な、つまり最も儲かるやり方や生き方を選択しなければならないというのが宮内の考える選択の自由であろう。)

ルール5・・・頭のよい政治家を信用するな
 政治家という職業はなぜ信用されないか
 政治家に求められる条件-自分の座標軸と他者への共感
 地べたをはいずり回ることの重要性
 政治家と官僚の違い

ルール6・・・あやふやな言葉を使うな、あやふやな言葉を使うやつを信用するな
 ファシズムは言葉の崩壊から始まる
 政治家と市民の間の約束こそ、民主政治の生命線
 策略を持つ政治家は常に意味不明の言葉を流布させる
 メディアと言葉-ステレオタイプをめぐって
 マスメディアの発達とイメージ操作

ルール7・・・権利を使わない人は政治家からも無視される
 若者はなぜ政治に無関心か
 日本における政治教育の不毛
 権利のうえに眠るなかれ(補記・「この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によって、これを保持しなければならない」@日本国憲法第12条)
 選ばれる側は誰の言うことを聞くか

ルール8・・・本当の敵を見つけよう、仲間内のいがみ合いをすれば喜ぶやつが必ずいる
 政治における対立軸とは何か-右と左という言葉の意味
 グローバル化と新たな対立の先鋭化
 日本における平等をめぐる敵対と連帯
 偽りの対立軸の中で誰が得をしているのか
 弱い者同士がいがみ合っていては強い者がわらうだけ-新たな連帯を求めて

ルール9・・・今を受け容れつつ否定する
 理想主義と現実主義という対立軸
 現実主義と思考停止は違う
 構造改革というユートピア主義
 改革という名の誇大妄想
 急進主義とエリート主義
 懐疑的な進歩主義、楽観的な保守主義

ルール10・・・当り前のことを疑え
 政治の進歩は当り前のことを崩すことによって起こってきた
 「当たり前」は時代、国によってまったく異なる
 政治のえこひいいきを正当化する「社会的偏見」
 「当たり前」を常にかき回そう
  自分たちが困ったり、悩んだりしていることを、当たり前とあきらめてはいけない。そこであきらめると、弱者の苦境を利用して利益を得ている人々の特権や暴利を当たり前だと許すことにつながるのである。おかしなことに対しては、当たり前だと引き下がらず、おかしいと声を上げることが必要である。そのための方法・・・①世論を喚起する-メディアの仕事ぶりでよいものを積極的に応援することも必要、②政治参加、③裁判

以上、執筆時50歳になった、「大人」から「若者」へのメッセージ、である。若者に届いてほしい...。

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